第9回は、昨年度制作された作品「オタクの太田くん」の監督、西真太朗さんです。オタクのシーンはスタッフたちのオタク力で出来上がっていた!?明るく楽しい映画が制作された裏側をお聞きしました。
オタクの自由を
──作品のあらすじを教えてください。
オタクが禁止されてる高校がありまして、そこで生徒会長の姫宮がオタクを取り締まってるんですけど。そんな中、太田くんっていうあらゆるオタクを極めたものが、突如高校に入学してきて、仮面ライダーの仮面をつけてオタクの開放を主張するんですね。姫宮は太田くんを取り締まろうとするんですけど、たまたま太田くんが仮面を取った姿を見てしまって。姫宮が一目惚れしてしまう。さあどうするかっていう話です。
──この作品を撮ろうと思ったきっかけを教えてください
企画当時、僕は「進撃の巨人」にはまってまして。「進撃の巨人」って、壁内の主人公たちと壁外の巨人が戦うみたいな感じで、主人公たちがすごい弱い立場にあるんですけど。そこから着想を得て、学校で弱い立場の人と強い立場の人が戦うみたいな感じの作品を作ろうと思って。それで思いついたのが、オタクが非オタクにいじめられてて、非オタクを倒すみたいな話です。最初は、「進撃の巨人」みたいにバトル物を取ろうと思ってたんですけど、恋愛要素が入ってきて最終的にラブコメになりました。

「進撃の巨人」
──オタクを中心にして考え始めたんですね。
そうですね。やっぱり僕はオタクに関して思ってることがあったので。オタクって、結構批判されることもあるんだけど、 結局何かに対しての熱量が強いっていうだけだから。何かに対して熱を入れる自由を奪う権利はないっていうのを伝えたかったですね。
──なるほど、オタクが、熱量をかけて何かやるっていう自由を象徴してるんですね!
初監督作品の苦労
──制作中にあった苦労を教えてください。
そうですね。制作中にあった苦労は本当に。自分で映画を撮るのが初めてだったので、全然段取りがうまくいかなかったり、機材の使い方が全然わかんなかったり大変でした。思った以上に撮影時間がかかったり、ピンボケとか白飛びしてるシーンもたくさんあったりして。
──何も知らない状態から始めると難しいですよね。やっぱり
難しかったですね。
アドリブのオタクシーン
──制作中の、面白かったエピソードを教えてください
アドリブでの撮影を入れたら面白いだろうなって思ってたので、太田くんがハマってることについてめちゃめちゃ早口で語るシーンで、実際に主演の人が好きなことについてもすごい早口で語ってもらったんですね。他のオタクが話すシーンも含めて、そういうふうに、演者のみんなが好きなものについて話してるシーンを撮るのはすごく面白かったです。みんなで笑いを堪えるのに必死でした。
──演者自身のハマってることについて話してもらったんですね!
そうですね。太田くんが話してる内容に関しては、現場にいたオタクスタッフたちの思想とかも入ってたりします。
──なるほど。西さん自体は何かのオタクだったりするんですか。
僕は欅坂とかのオタクだったんで。実際僕も作中に登場して語ってますw
他のオタクのシーンでも、即興で撮ったシーンがあって。作品冒頭に、オタクのコールの練習をしてた生徒が取り締まられるっていうシーンがあるんですけど、撮影当日、オタク役が1人足りなくて困ってて。たまたまその日現場にスタッフとして来てた人に、「ちょっと出てもらえませんか」って言って急遽出てもらいました。
──そうなんですね!作品観ましたが、かなりハマり役でしたね。

たくさん笑ってみてください!
──この映画の魅力とか見てほしいポイントを教えてください。
設定もお話も結構無茶苦茶なので、素直にお話を楽しんで、見ながら笑ってくれたらなって思います!
西真太朗

スピカ1895の25期メンバー。過去作に、「オタクの太田くん」「Merrow」などがある。
スピカ入会後、新入生だけで「オタクの太田くん」を作り上げた。
過去作リンク
「Merrow」