16回目のインタビューは前回に引き続き、福岡48時間映画祭にて審査員特別賞を受賞された、「仲良し」監督の峰大和さんです。
タイトルからは想像できない異質な時代劇。授賞式では笑いが巻き起こった作品の、制作秘話をお聞きしました。
時代劇「仲良し」の誕生
──「仲良し」は、48時間映画祭の作品ですが、企画のきっかけを教えてください。
普通、48時間映画祭は誰の企画を撮影するかを、当日チーム内で投票して決めるのですが、
僕の日々の活動が功を奏したのか、初めから僕の企画で撮影するという、僕の班を作れるということになって企画が立ちました。
とりあえず、48時間映画祭で出題されるお題のリストがあるので、その中のどれになってもある程度対応できるように事前にいくつか話を考えました。
──じゃあ、その中の1つが仲良しの元となる話だったんですか?
そう。ランダムで割り当てられたジャンルが、時代劇だったんですけど、ちょうど時代劇の話が用意してあったので、これで行こうということで。
──そうだったんですね!時代劇「仲良し」のあらすじを教えてください。
あらすじ…あらすじは、特にないです。
主人公とその友達が出てきます。
あと、お星様のお話です。
──なるほど…ちなみに、この時代劇の他にはどんな話を用意してたんですか。
アザラシに乗って北極に行く話とか、マツタケを探す話とかがありました。
──アザラシに乗って北極…
──タイトルの「仲良し」の意味を教えてください。
タイトルを結構悩んでいて、決まらなかったので、もう1回映画を全部完成させて、ちゃんと観て、最後に決めることにしたんです。それで、編集を終えて、1回観てみて、「こいつら仲良いな」って思って「仲良し」にしました。皆さんも、「仲良し」観たら、この子たち仲いいなって思うと思います。
はちゃめちゃ撮影
──作品のほとんどのシーンが、日本語じゃないと思うのですが、あれはセリフを事前に書かれていたんですか?
あれは全部アドリブです。本当に頭おかしいんですが、やってくれました。
健気に練習してくれました。
──峰さんもナレーションで入ってますよね。
あれは、セリフを事前に紙に書いてやりました。他の2人が何も書かずにその場で喋るから、僕も書かずにできるもんだと思ってナレーションしようとしたら、1文字も出てこなくて。俺はなんてものを人に強いてしまったんだ、とんでもないことをさせたんじゃないかって思いました。
──ほんとにキャストの2人はすごいですよね。なんで実現できてるのかわからないです。
いや、だから本当にね、めっちゃ練習してくれたんだよ。
森に向かう車とかで。

──制作中の苦労を教えてください。
苦労は枚挙にいとまがないです。まず、普通に苦労というか何より、一晩中人を森の中に放置してしまいました。八王子にある森に。
あとは、バッテリーがギリギリになりました。普段、機材係も兼ねてる僕がバッテリーの充電をするんですけど。今回は僕が監督で脚本書いたりしてたので手が回らなくて。照明用のバッテリーが3つしか充電されてなくて、一個ずつ使っていってなんとか持ち堪えました。
──よかったです…!真夜中に森の中でバッテリー切れたら撮影どころじゃないですもんね…

きっと喜んでくれる
──制作中の楽しかったことを教えてください
編集が楽しかったです。本当に楽しかった。先輩、僕の師匠と編集したんですけど。観てくれた人はわかると思うんですが、どの動画素材がどのセリフなのかわからなくて、なんか「どれだどれだ」みたいに探すのがすごく楽しかったです。なんかちょっとパズルみたいで。
──お気に入りのポイントを教えてください。
全体的にすごく気に入ってます。中学生ぐらいの時の僕に観せてあげたいです。
きっと喜んでくれる。
──まだ観てない人にメッセージをください。
多少置いてかれたと思っても、諦めないでください。置いてかれても特に支障きたさないので。
──最後に、今後の展望を教えてください。
無病息災で今後ともね。グッド・スピカ・ライフを歩んでいきたいと思います。
峰大和

スピカ1895の25期メンバー。過去監督作に、「カラオケにて」「わすれないよこのみちを」がある。
本作「仲良し」にて、2024年度福岡48時間映画祭にて審査員特別賞を受賞。
監督だけでなく、役者としても、「ア ガル」、「あきあきするわ」、「星々の悲しみ」をはじめ多くのスピカ作品で活躍している。
過去作品リンク