監督の自虐映画!?映画監督密着モキュメンタリー「Samurai alive on screen」

第6回のインタビューは、「Samurai alive on screen」監督の牧駿太郎さん。

自身の経験をもとに映画制作の現場を独自の観点で切り取った映画を作られています。

ぜひ、第7回「再上映」と合わせてご覧ください!

監督の経験をもとに作られた映画

──あらすじを教えてください

監督がすごい自分本位に動いてしまって、みんなは表面上ではめっちゃ仲良くしてくれるけど、裏ではめちゃくちゃ嫌われてるっていう映画です。

──なるほど。撮ろうと思ったきっかけはありますか?

まずスピカで僕が1回問題を起こしちゃったんだよね。スピカ事変なるものがありまして。僕が以前短編映画を撮ろうとして、キャストをお願いした時に、主役の男の子と女の子2人にはちゃんと連絡をしたんですけど、ほかの役の女の子2人には何も連絡せずにね、 勝手に出演させることにしちゃったんですよ。で、それで役者の中で「これどうすんの、対応悪いけど撮影大丈夫?」みたいな感じになって。そこでちょっと代表からも、「ちょっとそれはないじゃん」って怒られたっていう。 それを元に作った映画です。

映画のクレジット後には、その、ちゃんと出演交渉をしてますよっていうのも入ってるんで、ちゃんと見てくれたら幸いです。

──実話をもとに作られてるんですね!この作品のメッセージを教えてください

そうですね。この映画は自虐なんで。映画を撮る時にはみんなにちょっとしたモラルをね、考えて撮りましょうっていうことです。この世の中、このご時世ってことなんで。それを伝えたかったって感じですね。

全部即興のモキュメンタリー!

──撮影中大変だったことを教えてください

そうですね。編集のM君には頭が上がらないっていうのが、本当にそうだと思います。僕が素材だけ送ったのを、うまくカットしたりしてくれたんで、感謝です。

──絵コンテとかはなかったんですか?

絵コンテなかったんですよ。この話自体が、急に思いついて、「あ、撮ってみようぜ」っていう感じで撮ったので。僕含めスピカの3人で、「スピスピラジオ」っていうのをやってるんですけど、その収録の前日に、僕が映画撮りたいなと思って、ラジオ収録の2時間前ぐらいに1時間で撮った映画です。なのでもう即興で撮ったんで、絵コンテも脚本もなくて、全員アドリブで撮りました。

──全員即興!

役者の2人が すごい。演技がめちゃめちゃうまかった。最初にコンセプトだけ伝えて、「じゃあキレてください」ってお願いして。本当に2人あってこそ。だから、本当に役者さん、命なんです。

──かなり自然な感じの演技だなという印象でしたね

そうですね。やっぱり最近思うのは、映画とかなんでもそうですけど、みんな力を抜いてて、脱力した状態 で演技をすると、いいものが出てくるんじゃないのかなって。

──一番印象に残っているアドリブを教えてください。

役者のDさんが、その場にたまたまあった木で作られた十字の小道具を、パーンって振り下ろして壊すシーンがあるんですよ。完全にアドリブだったんですけど、もう彼女がキレてるのを見た時に、僕もそうだし、隣にいた役者のHさんもだと思うんですけど、すごく怖かったです。僕、本当になんかしたんじゃないかって思っちゃうくらい。

シュールなインタビューシーン

──このシーンを撮りたくて撮った、みたいなシーンがあれば教えてください

インタビューのシーンですね。そのシーンが面白いだろうな、シュールだろうなと思って。ドキュメンタリーっぽい感じで撮ってみたいなって思ったのがありますね。「the office」っていう、アメリカの、インタビュー形式のコメディドラマとか、「モダン・ファミリー」っていうドキュメンタリー系のドラマがあるんですけど、それに似た感じのを撮ろうと思いました。

撮影はとにかく楽しく!

──制作中のエピソードを教えてください

とにかく楽しんでたってことかもしれないです。いい作品にするぞっていうよりかは、みんなで話しながら、これおかしいよね、みたいな。 撮影中に「こんなのいいんじゃない」、「こういうの撮ってみようよ」みたいな感じで撮ったので、監督牧って書いてあるんですけど、多分監督は僕じゃなくて、みんなだと思うんですよ。監督はみんな。だから、撮影にいたあの4人の誰もかけちゃダメだったなと思います。

──なるほど。みんなでアイデア出してやっていくのいいですよね

そうですね。アイデア出しも現場でやってたんで、それ含めて2時間で撮った感じです。最初の段階では、「映画を撮る」っていうのをテーマにドキュメンタリー的なものを撮ろうっていうことしか決まってなくて。で、監督がめちゃめちゃ嫌われてるっていうアイデアで撮ることにしたんですけど、その具体的な内容とかは当日、みんなで考えながら撮ったって感じです。

オフショット

──この映画の魅力を教えてください

本当に、撮影しているみんなが楽しんでる。この撮影1時間を全力で楽しんでるなっていうのが分かるような映画なので。映像を作ってる緊張感もあるんですけど、それ以前にクリエイティビティを軸に、みんながいいものを作ってやるんだっていう熱い気持ちが現れてると思います。その部分を見てくれたらめちゃめちゃ面白いと思います。

第7回インタビュー「再上映」に続く…!

牧駿太郎

スピカ1895の25期メンバー

過去作品に「乙女座ガール」、「Samurai alive on screen」、「スピスピラジオ」などがある。

過去作品リンク

「乙女座ガール」

「スピカのスピスピラジオ」

「Samurai alive on screen」