第10回は、第9回に引き続き、今年の夏合宿で制作された映画「Merrow」監督の西真太朗さんです。本作は、ラブコメ「オタクの太田くん」の底抜けの明るさから打って変わって、人の寿命について考えさせられる綺麗な映画。映画のメッセージと、美しいロケ地についてお話をお聞きしました!
「葬送のフリーレン」と「不死鳥」から
──この作品のあらすじを教えてください。
寿命がすごく長い男の子と、自殺願望を抱えた男の子が、お互いの秘密について話していて、より愛を深める話です。
──「オタクの太田くん」とは打って変わって重いテーマですね…!タイトルの「Merrow」の意味を教えてください。
Merrowはギリシャ語で人魚っていう意味で。人魚ってすごく寿命が長い生き物なんですが、男の子のうちの片方が人魚っていう裏設定がありますね。
──この作品を撮ろうと思ったきっかけを教えてください。
これもまたその頃ハマってたアニメに影響されてるんですけど。制作した時期、「葬送のフリーレン」にはまってて。そこから、寿命がすごく長い人のお話を作りたいと思って、本作を作りました。脚本を書く時には、SEKAI NO OWARIの「不死鳥」っていう曲の話の流れとかを参考にして書いたので、セリフには「不死鳥」の中に出てくる歌詞に近いものが多く含まれてると思います。

「葬送のフリーレン」
──「葬送のフリーレン」と「不死鳥」の掛け合わせで生まれた作品なんですね。この作品のメッセージも、その2作からきているんですか?
「不死鳥」の曲自体が、不老不死って一般的にみんなが望まれてるものなんですけど、 むしろ不死って不幸せなんじゃないか、死なないからこそ、あまり今を大切にできないんじゃないかなっていうメッセージを含んでいると思っていて。小学生ぐらいの時に僕の考え方を作り上げた曲の1つなんですけど。その考え方が素敵なので伝えたいな、と思って、この映画にメッセージとして込めました。
──なるほど、長い寿命があることで、今を大切にできてないんじゃないかっていう話。
そうですね。終わりがあった方がお話って美しいんじゃないか、終わりがあった方が人生って美しいんじゃないか、っていう感じです。
森のロケ
──この映画のお気に入りのシーンを教えてください。
森の中で撮ったシーンが1つあって。この映画は合宿で撮ったんですけど、東京とかだと取れないような場所で撮れたことが、すごく思い出に残っていて好きなシーンですね。

──合宿ならではのロケですね。
そのシーンのロケには車で行ったんですけど、そこまでの山道がめちゃめちゃ狭くて、あんまり車が通るようなとこじゃなくて。運転してたスタッフの人がね、すごいヒヤヒヤしながら運転してて、アトラクションみたいな感じでかなり盛り上がってて楽しかったです。
──ピリピリしたとかじゃなくて!?
なんかむしろ楽しんでたような感じですね、みんな。
──西さんの撮影現場ならではな感じがありますねw
そうかもしれないですね。
ロケ地とセリフに注目!
──この映画の魅力を教えてください。
そうですね。千葉県の南の方で撮影したんですけど、海とか山とか、ロケ地の綺麗さにはぜひ注目してほしいです。あとは、やっぱりお話を1番やっぱ楽しんでほしいなって思いますね。登場人物のセリフから、色々考えてほしいなって思いますね。
食事の素晴らしさ
──今後撮りたい作品を教えてください。
また今ハマってるものから作品を作ろうとしてるんですけどw 「孤独のグルメ」に最近ハマってまして。 「孤独のグルメ」をリスペクトした作品をちょっと作ろうと思ってます。1人で食事を取ることの尊さと言いますか、食事って文化として素晴らしいものだよねっていうのを伝えたいなっていうのも思ってます。
──いいですね!上映されるのを楽しみにしてます。
西真太朗

スピカ1895の25期メンバー。過去作に、「オタクの太田くん」「Merrow」などがある。
スピカ入会後、新入生だけで「オタクの太田くん」を作り上げた。